世の中の「役割」に縛られていませんか?
「母として」「妻として」「仕事の責任者として」――現代を生きる多くの人々、特に女性は、無意識のうちに様々な役割を背負い、周囲に合わせることを優先してしまいがちではないでしょうか。自分の本音を飲み込み、「何でもいいよ」「みなさんと同じで」と答えることが当たり前になってはいないでしょうか。
俳優として華々しいキャリアを築いてきた南果歩さんも、かつてはその一人でした。しかし、50代で経験した壮絶な試練は、彼女がそれまで守ってきた健康、家庭、仕事、その全てを一度失う経験へと繋がります。重度のうつ病に苦しんだ時期には、心の感情さえも失ったと語られています。
「その瞬間、立っていた場所が崩れ落ちるような感覚がありました。真っ暗な崖に立ち、ほんの指一本でコツンと弾かれて落とされ、果てしなく深く辿りつかない奥底に落ちていく感じです。あの時の私は、本当に『無』の中にいました」(南果歩)。
このような深い絶望を経験した時、私たちはどのように立ち上がれば良いのでしょうか。自分自身の心と向き合うことの重要性を、南さんの言葉は教えてくれます。
還暦は生まれ変わる最高のチャンス
どん底を経験した南さんが辿り着いたのは、肩書きや役割を捨て、「一個人」に戻るという選択でした。還暦とは、十干十二支が60年で一巡し、生まれた干支に還ること。赤いちゃんちゃんこを着る習慣も、赤ちゃんに還り、生まれた時の自分に戻って第二の人生を歩むという意味が込められています。
「人生はいつからでも改善できる。一足飛びに変化はできなくても、一コマずつ進めていけばいい」(南果歩)。
南さんは還暦を機に、周囲に振り回されることのない、自分自身の人生を歩み始めました。これは、我慢を美徳としてきた世代の人々にとって、心強い決意なのではないでしょうか。人生の節目を迎えるたび、私たちは立ち止まって自分を見つめ直す機会を得ます。あなたにとっての「還暦」は、どんな意味を持つでしょうか。
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では、南さんはどのようにして自分自身を取り戻していったのでしょうか。その秘密について、南さんはこう語ります。
「自分を取り戻すために何よりも大切だったのは、『自分の好き』を優先すること。いま、自分は何をしたいのか、何を食べたいのか。そんなシンプルなことからのスタートです。小さな自分の『好き』を言葉に出して行きましょう」(南果歩)。
南さんが笑顔を取り戻すために実践していることの一部が紹介されています。これらは、年齢を重ねることを楽しみたいすべての人にとって、今日から取り入れられる「機嫌よく生きるための知恵」となるでしょう。自分自身の「好き」を追求することは、時に勇気がいることかもしれません。しかし、その小さな一歩が、日々の充実感へと繋がるのではないでしょうか。
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食:心身が疲弊した時を救ったのは日々の食事。自分を労わる食のあり方について語られています。
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挑戦:10年ぶりのスキー再開や、アマチュアバンド「Nicochans」での活動。いくつになっても「新しい自分」に出会える喜びが綴られています。
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美容:しわのない首、シンプルに時々、変化すること。南さん流のポジティブな美学が紹介されています。
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旅:誰のためでもない、自分の「好き」を優先して感性を研ぎ澄ます「一人旅」の時間の作り方。
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ライフワーク:再発乳がん患者の“生きる力”を描くショートフィルム『日々をつなぐ』の主演など、社会とつながり、演じることの意味を問い続ける日々が描かれています。
著者・南果歩さんからのメッセージ

「笑顔は最強の武器です。笑顔で人との距離を縮めることもできるし、誰かの心を解きほぐすこともできる。 でもそれは心からの笑顔だからです」。
書籍情報と著者プロフィール
南果歩さんの新刊エッセイ『還暦スマイル 〜人生を笑顔で生きるために必要なこと』は、小学館より2026年2月18日に発売されました。
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書名:還暦スマイル 〜人生を笑顔で生きるために必要なこと
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著者:南果歩
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定価:1,870円(税込)
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判型:四六判 192ページ
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発売日:2026年2月18日
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出版社:小学館
著者プロフィール

南 果歩(みなみ・かほ)
1984年、短大在学中に映画『伽倻子のために』のヒロインでデビュー。テレビや映画、舞台で幅広く活躍しています。2015年には映画『マスタレス』で全米デビューを果たし、2022年にはApple TV『PACHINKO season1』でメインキャストとして出演し、第38回インディペンデント・スピリット賞にてクリティックスチョイスアワードを受賞しました。
近年公開された映画には、『ら・かんぱねら』『君の忘れ方』『ルール・オブ・リビング(Rules of Living)』などがあります。2016年に乳がんの手術を受けた経験から、ピンクリボン活動にも積極的に参加。乳がん患者の生きる力を描いたショートフィルム『日々をつなぐ』では、乳がんの再発を告げられた主人公「遙」を演じています。また、被災地を中心に読み聞かせボランティアも行っています。
- Instagram: @kaho_minami
南さんの言葉は、きっと多くの人にとって、自分らしく輝くためのヒントとなるでしょう。試練を乗り越え、心からの笑顔で生きる南さんの姿は、私たちに大きな勇気を与えてくれます。日々の忙しさの中で、ふと立ち止まり、自分自身の「好き」を見つめ直す時間を作ってみてはいかがでしょうか。


